ROUND 14 Mさんへ①〜東京ドームの近くで良かったじゃん〜
・Mさんとは、とある職場で一緒に異動してきて初めて出会った・・
・・あとになって知ったが、とある地方公共団体に入ったのが同年、いわゆる同期だった・・そしてお互いにうだつがあがらない感じの役職なしの末端のヒラ・・
・・あの頃の俺は何をやってもうまくいかなかった・・大学時代は仕送りなどなく、周りはサークル活動や恋愛など青春を謳歌していたが、俺は生活のためにとにかく必死に働いていた・・
・・誰よりも苦労して入ったと自分では思っていた・・とある地方公共団体・・だからこそ、自分はできる限り出世して苦労している人たちが報われる社会を築きたかった・・
でも大きな失敗をしてしまい・・当時の責任者の幹部から「お前の代わりはいくらでもいるんだ、次はないと思え」と言われ、そればかりではないが俺のキャリアはもう先はないように感じた・・取り返しのつかない挫折・・
・・当然腐った・・そんな時、場末の事業所に異動となり、Mさんに出会った・・
・・二人とも同様の経験値だったが、彼は明らかに職務分担が俺より軽かった・・当然不満で上席に物申した・・彼には事情があった・・前の職場で病休を取っていた・・
・・結局俺は誰もやりたがらない大変な仕事をやらされる羽目になった・・金を扱う仕事は本当に嫌だ・・なんなんだよ、コイツはメール振り分けて雑用やってるだけじゃねーか、それで同じ給料かよ・・全くやってらんねー・・
しかし、その職場のボスは明るい人で、雰囲気が良かった・・俺のわだかまりもいつしか小さくなり、Mさんとも少しずつ打ち解けるようになってきた・・
趣味が同じ野球観戦だったこともあり、彼はジャイアンツファン、俺はヤクルトファンだったが親しく話すようになっていった・・
そして、彼は私が大変な時に読み合わせしてくれたり、俺の代わりに受付対応などもやってくれるようになった・・一年が過ぎるころには、お互いにイジったり、イジられたり「よき友人」のような関係になった・・東京ドームにも二人で行った・・
・・それから俺は二年間でその職場をお役御免になった・・12年前の日記に記載したとおりだ・・
Mさんとは異動したあとも時々野球観戦に行った・・ただ.俺自身がどんどん重要なポジションで仕事をするようになり、連絡する機会も減っていった・・
・・それから数年経ち、俺は本庁のとある部署で質問があったMさんからの電話を受けたんだ・・
(つづく)