万年ヒラリー Reboot 〜闘争の記録〜

社労士開業を目指し、ひたむきに毎日を精一杯生きる平凡な一人の男の物語!

ROUND 19 Mさんへ②〜きっと明るい未来は自分で拓ける〜

・・


「その声はMさんですか?元気でしたか?」


「・・ああ、万年さんでしたか・・うん、なんとかやってるよ・・」


・・その声は明らかに元気がなく、そして、ある薬を服用している方独特の響きがあるように感じた・・


「・・また野球観にいきましょうよ・・頃合いみて電話しますね・・」


・・


・・数ヶ月後、繁忙期を迎える前にMさんに連絡しようと思い、職場に連絡をした・・


「Mさんは今長期でお休みしています。いつから復帰されるかわかりません」・・


・・あのとき薄々感じていたのに、何で俺はもっと早く連絡できなかったんだ・・そんな思いが頭をよぎる・・駄目だ、今こそあとで「ああすれば良かった」などと後悔しないように行動するんだ・・


・・なんとか人づてにMさんへの連絡先を聞いて、Mさんに連絡を取った・・そして、話を聞きたいから会ってほしいとお願いして会うことになった・・


・・Mさんはうつろな目でファミレスの窓の外を眺めながらつぶやいた・・


「親父が・・この前死んだんだ・・僕が親父の面倒をみてたんだよ・・食事も僕が作っていたんだ・・万年さん、あの頃の僕は早く帰ってしまいごめんね、そんな事情があったんだよ」・・


「・・Mさん、たしか・・お姉さんいましたよね?・・」


「うん、でも姉は離婚して女手ひとつで娘を育ててるんだ・・だから僕が親父の面倒みてた・・僕は親父が好きだったし・・」


「・・そういえば、Mさん唐揚げが大好きだったよね・・親父さんは唐揚げは厳しいよね?・・」


「うん、脂っこいものはね・・だから魚焼いたりとかそんな感じだよ・・僕はそんなに料理できないし・・」


「・・そうでしたか・・Mさん、これから仕事どうするんですか・・」


「・・もう今のところでは厳しいから、異動希望だすよ・・もう少しゆっくりした気分でできるところに・・」


・・


・・俺は、本当は自分自身が変わらないと、どこにいっても同じだよ、と言いかけたがやめたんだ・・何となくだけど親父さんが死んだことで自分の役割が終わったような雰囲気があるのを感じたからだ・・


(つづく)


Mさんへ① 

https://manhira.muragon.com/entry/15.html



この油淋鶏定食!見てください、堂々たる姿!



万ヒラ桜は五分咲きくらいですね

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