万年ヒラリー Reboot 〜闘争の記録〜

社労士開業を目指し、ひたむきに毎日を精一杯生きる平凡な一人の男の物語!

ROUND323 NAKANO21・・🔥心に灯った小さな炎・・


・・食事になると前の日の失態を二人で侘びた・・するとおばさんは呵呵大笑しながら「なーんも、そんなこともあるち、それより店の前で倒れて、二人のまわりチョークで囲んだらまるで殺人事件現場のようになるとYがいっとったわ」と笑い飛ばしてくれた・・


・・その日はTとYは飲まなかった・・おばさんが仕事終わりになると部屋にもどってきた・・そして何故か俺たちの将来についての話になり、Tはやはり国際公務員になりたいという話をおばさんにした・・


・・「ヒラリーは将来どうするんだ」とおばさんに言われ「いや、俺は普通にサラリーマンになれればいいんです」と答えた・・


・・するとおばさんは「なんも面白味がない話じゃ、ヒラリー、YやTのように何か目標はないのか」・・「いや、俺は二浪してやっと大学入ったし、生活しながら学校いくだけで精一杯だから、何とか4年で卒業できればいいと思ってます」・・


・・「何いうとんのじゃ、私なんかほら脚が悪いじゃろ、だから小せえころからずっといじめられてたんよ・・ほいでも、何くそ〜と思って生きてきて、貧乏のどん底からここまできたんち・・今じゃ、誰も馬鹿になんかできん、そういう境遇になったんじゃ・・二浪とかお金ないとかそんなこと、小せえ、小せえ、なんかないのか?ヒラリー」・・


・・俺は少し考えた・・金がなくてずっと苦しみ抜いてきてるから、そこは抜け出したいのは間違いなかった・・そして坂田さんたちのことを思い出した・・彼らは財団の固有職員だったが、準公務員だから安定してるという話だった・・


・・「金がないのはもういやだから、経済的に安定したい・・公務員なんかいいかなと思うけど、俺はそんな頭良くないから」・・


・・「ヒラリー、それなら最高のところ目指して勉強すればいい・・やるかやらないかだ・・ヒラリー、やれるな?」・・


・・いつも笑顔を絶やさないおばさんは、厳しい顔つきになって俺のことを見た・・


・・「仕送りもなくて、ずっと働かなきゃならないから、勉強する時間がなかなか取れないと思う」・・俺は二浪してすっかり負け犬根性が染みついていた・・公務員試験なんて受かる自信がないから言い訳じみたことを言った・・すると・・


・・「ヒラリー、そんなウジウジしてたら何も変わらん・・何のために大学にきたんじゃ・・ほいならヒラリーが受かったから誰かが落ちとるんじゃ、受かった人は落ちた人のためにも精一杯やらんといかんじゃろ」・・


・・そうだ、おばさんの言うとおりだ・・生活するのに精一杯だけど、ただ卒業するだけで悔いのない大学生活だったと言えるのだろうか・・自分が弱いのはよくわかってる・・そんなに能力が高くないことも・・そしてかなり卑屈になり自信がなくなってしまっていることも・・


・・


・・「わかった・・俺は公務員を目指すよ・・それもできるだけ最高のところに」・・


・・なかばやけくそ気味のところはあるが自分を変え、そして自信を持って、自分らしく生きていくのはそれじゃないかと思い始めていた・・おばさんは惰弱な俺の心を断ち切ってくれたんだ・・


・・今となってみればYのおふくろさんに感謝しかない・・このことがなければ今の俺はなかったからだ・・もっともこの歳になった今も金がないことは当時は考えてもみなかったが(笑)・・


・・そのあと俺はさらに生活が乱れていくことになるのだが、この時俺の心に灯った小さな炎は学生生活をとおして消えることはなかった・・どんなにまわりが「万年はどうしようもないやつだ」と言われてもそれを実現するために行動していくことになる・・


(つづく)




🔴人生シリーズ


🔸 NAKANO リマインド


①・・いかにも俺は逃げる、それが理由さ・

https://manhira.muragon.com/entry/202.html

②・・青は散ったんだ・・

https://manhira.muragon.com/entry/208.html

③・・何も見えなくなった街で・・

https://manhira.muragon.com/entry/211.html

④・・生きることからやりなおしだ・・

https://manhira.muragon.com/entry/217.html

⑤・・始まった新たな生活・・

https://manhira.muragon.com/entry/224.html

⑥・・さすらいのフリーター・・

https://manhira.muragon.com/entry/229.html

⑦・・居場所を感じて・・

https://manhira.muragon.com/entry/236.html

⑧・・何気ない言葉で・・

https://manhira.muragon.com/entry/244.html

⑨・・たった一人の孤独な戦いの始まりだ・・

https://manhira.muragon.com/entry/249.html

⑩・・恥を忍んで・・

https://manhira.muragon.com/entry/255.html

11・・受験前日の闘争・・

https://manhira.muragon.com/entry/258.html

12・・3年目の大学受験終了・・そして・・

https://manhira.muragon.com/entry/264.html

13・・俺はやっぱり大学に行けないのか・・

https://manhira.muragon.com/entry/266.html

14・・覚悟の帰省・・

https://manhira.muragon.com/entry/274.html

15・・新宿の片隅から・・

https://manhira.muragon.com/entry/282.html

16・・つかの間の喜びの中広がる暗雲・・

https://manhira.muragon.com/entry/291.html

17・・夢だったキャンパスとそれどころじゃない生活

https://manhira.muragon.com/entry/297.html

18・・無二の親友との出会い・・

https://manhira.muragon.com/entry/302.html

19・・ささくれ立つ日常の中で・・

https://manhira.muragon.com/entry/312.html

20・・団欒と親友の夢と・・

https://manhira.muragon.com/entry/317.html



万年ヒラリー社労士受験生日記

https://www.saitan.jp/nikki22/view/22230.html


Mさんへ他

https://manhira.muragon.com/entry/58.html

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