ROUND46 Mさんへ⑨〜悲しい気持ちだよ😿〜
・・・・やはり様子が違う・・
・・目の焦点があっていない・・私やIさんを見ようとしない・・いや、もしかしたらよく見えないのかもしれない・・身体を起こすことはなく、顔だけを俺たちのほうに向けている・・それでいて何かに怯えているような感じだ・・
「どうしたんだいMさん、ちょっと具合悪くなっただけだよ!また、きっと良くなる!俺にその姿見せてくれたじゃないか!」・・Iさんが言葉をかける・・
「・・Iさん、怖いです・・あんまりよく見えないんです・・暗いよ・・本当に怖い・・死ぬのはいやだ・・死ぬのは怖い・・助けて・・Iさん、助けて・・万年さん、助けて・・」
「・・Mさん、Iさんが言うようにきっと良くなるよ・・だって、俺だってIさんが歩けるようになったのこの目で見たんだよ!復活までもう少しだったじゃん!もう一度、歩く姿見れるようになる、きっと・・」
・・それからMさんは、怖い、死ぬのは嫌だと泣きながら何回も繰り返していた・・IさんはMさんの手を握った・・
「わかったよ、わかったMさん、俺がここにいるから安心していいよ・・」・・そう言うIさんは少し涙を浮かべていた・・
・・どのくらい経ったか・・Mさんは疲れたのかIさんのぬくもりに安心したのか、まぶたを閉じた・・
俺も途中から悲しい気持ちでMさんとIさんを眺めていた・・心のなかではMさんはどうなるんだという気持ちと、いや、絶対良くなるんだ!という気持ちが交錯していた・・
・・何か動きがあればまた伝えてくださいとお姉さんに伝えて、俺とIさんはその病院をあとにした・・
・・
その後、お姉さんから元の病院に戻ったと連絡があり、二週間も経たないうちにまた肺炎となり例の救急病院に入院したと連絡があった・・俺は少し身構えていたのか、何とも重い気持ちで病院に向かった・・今度も集中治療室だったが少し奥まった部屋でMさんの様子を見ることは出来なかった・・
・・すると、万年さんちょっと、とお姉さんに声をかけられた・・二人で廊下に出た・・
(つづく)
Mさんへ
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哀愁のチャトラン・・君も悲しいのかい・・
